今回は今後注目していきたい”新しいESC”システムの情報をシェアします。
その名は
ESCape32
RCクローラー、特にLCG等の競技マシン向けのブラシレスモーター用小型ESCです。
ESCape32
GitHubにて公開されている「ESCape32」はオープンソースの32ビットESC用ファームウェアです。
そうです。
概要的には「AM32」と同じタイプのものになります。
要はですね、元々マルチコプター用の超小型ESCに入っているBLHeli等の制御システムソフトを、”ESCape32″や”AM32″というGitHubで無料公開されているソフトに書き換えることで、より高い制御性能を実現させるという、かなりコア層向けのESCです。
もちろんヘリ用のファームウェアもありますし、クローラー用のモノもあります。
「オープンソース」なので、誰もが自由に無料で使用することが出来ると共に、そのファームウェアを使用して少量利用することも基本的には可能です。世界中のユーザーが試行錯誤して最適なチューニングをしてそれを再びシェアしてくれることで、どんどん性能が向上していくという訳です。
ESCape32をフラッシュ(インストール)可能なESC
AM32と同じく、ESCape32も指定のESCがGithubに記載されています。
何でもかんでも書き換えるわけではありません。
BlHeli_32/AM32 ESC
32ビットの指定チップ搭載されているESCの場合、ESCape32に書き換え可能です。
リストはココにあります。リストに無いものでも下記チップが搭載されているESCなら可能性はあります。
- STM32F051
- STM32G071
- AT32F421
- GD32E230
- GD32F350
ちなみに、AM32は下記チップに対応しています。
- STSPIN32F0
- STM32F051
- STM32G071
- GD32E230
- AT32F415
- AT32F421
僕がAM32計画を始めた3年ほど前は、STM32F051チップにしか対応していませんでした。搭載ESCがコロナの影響もあり軒並み在庫切れだったり、高額になったりして、AM32を自作するメリットが無くなってしまい、その後計画を休止しましたが、これだけ対応チップが増えると可能性は広がりますね。
特徴
- サーボPWM、Oneshot125、自動スロットルキャリブレーション
- DSHOT 300/600/1200、双方向 DSHOT、拡張テレメトリ
- アナログ/シリアル/iBUS/SBUS/SBUS2/CRSF入力モード
- KISS/iBUS/S.Port/CRSFテレメトリ
- DSHOT 3Dモード、タートルモード、ビーコン、LED、プログラミング
- 正弦波起動モード(クローラーモード)、ブラシモード
- 比例ブレーキ、ドラッグブレーキ
- 温度/電圧/電流保護
- 可変PWM周波数、アクティブフリーホイール
- カスタマイズ可能な起動音楽
クローラー用のモードが初めから備わっています。
最大のポイントはWifiでの設定変更
公式のこちらのデモをみると分かりますが、ESCape32 Wi-Fi Linkを使う事で、スマホでの設定が可能です。
設定だけで無く多少の制御も可能
このWi-Fiリンクもプログラムが公開されているので、自作する必要があります(一部アメリカのメーカーでは既には製品化されている)
ESP32-C3のWifiモジュールは色々あります。秋月電子通商だと300円くらいで売っています。
Holmes Hobbiesのジョン・ロバート・ホームズさんは早速このESCape32 ESCのテストを開始しています。
動画を見る限り、製品化するにはまだまだチューニングが必要になると行っていますが、前向きに検証を重ねているようです。
AM32 vs ESCape32
近い将来、こういう対決が見られそうですね。
開発者
ESCape32の開発者は、「neoxic」さんこと「Arseny Vakhrushev」さん。
カナダのブリティッシュコロンビア州在住のようです。
僕は10代の最後の頃にバンクーバーに住んでいたことがあり、現在息子もカナダ留学中なのでなんだかとても親近感を感じていまいますwww
Githubプロフィール:https://github.com/neoxic
ESCape32:https://github.com/neoxic/ESCape32
ESCape32-WiFi-Link:https://github.com/neoxic/ESCape32-WiFi-Link
YouTube:https://www.youtube.com/@neoxicc
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